解説
サーモンや青魚などに含まれるDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸は、アレルギー症状を軽減させる効果があるといわれています。
花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などは、比較的短い時間で身体に症状が出るタイプのアレルギーに数えられています。サーモンには、このタイプのアレルギーを軽減するオメガ3脂肪酸が多く含まれていますので、花粉症で悩んでいる人ならば、積極的に取り入れたい食品なのです。
ところで、せっかくのサーモンを食べるときに注意しておきたいのが、アレルギー症状を引き起こしやすい、サラダ油、コーン油、マヨネーズなどのリノール酸が多く含まれる油脂類です。
現代の食生活では、脂質の摂取量がどうしても多くなりがちです。DHA、EPAが含まれるサーモンや青魚をしっかり食べていても、リノール酸の量がDHAやEPAの量を上回ってしまう可能性が高くなるのですね。
抗アレルギー薬の多くは、リノール酸由来の物質を抑えることで症状を緩和させています。薬を飲みつつ、リノール酸の多い食事をしていると、薬の効果が発揮しきれない場合もあるかもしれません。
アレルギー症状がきついと思う方は、サーモンを月に1回は献立に取り入れ、そしてリノール酸は少な目にするように心がけてみましょう。
<参考文献>
■The Journal of nutrition
『DHA-rich tuna oil effectively suppresses allergic symptoms in mice allergic to whey or peanut.』
■金城学院大学オープン・リサーチ・センター 脂質栄養学の新方向とトピックス
『IV章 増えているアレルギー、炎症性の病気と脂質栄養』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、サーモンを食べていない人は、重度の花粉症になるリスクが2.5倍になります。
A: 月に1回以上、サーモンを食べていますか?
B: 重度の花粉症ですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
61.2%
189人 |
38.8%
120人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
7.77%
24人 |
53.4%
165人 |
10.36%
32人 |
28.48%
88人 |
Z検定値 | 3.11 |
---|---|
オッズ比 | 2.5 |
信頼度 | 99.8% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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