スポーツドリンク飲み過ぎでアレルギーに？

解説

スポーツドリンクには、ナトリウムなどの電解質と糖が含まれており、この成分バランスは腸から短い時間で吸収されることが特徴です。

そのため、意外なほどたくさんの糖分が含まれているんです。糖の急激な吸収によりインスリンの分泌が増えたり、食事のバランスが崩れてしまうことがあります。大量のインスリンや腸内環境の悪化から、なんとアレルギーが出やすくなってしまうのです。

スポーツドリンクを「身体によさそう」というイメージだけで日常的に飲んでしまうと、かえって体調を崩したり、アレルギー発症の原因にもなりますので気をつけましょう。

スポーツドリンクとは？

運動をする人のためのスポーツドリンク。自動販売機やコンビニエンスストアにも必ずたくさんの種類が売られていて、暑くて汗をかいたときなど「水を飲むより、スポーツドリンクのほうがいいのかな？」と運動しないときでもよく飲む人もいるかもしれません。でも、花粉症などのアレルギー症状で困っているなら、ちょっと待って！

スポーツドリンクはナトリウムなどの電解質と糖が含まれていて、腸からの吸収がよくなるよう成分バランスが整えられています。身体の水分が不足しているときに、身体に吸収されやすい濃度ですから、脱水や熱中症の予防には効果的です。

でも、カロリーオフでないタイプのスポーツドリンクは、1本で約100〜200Kcalあります。これは、おにぎり半分〜1個と同じくらいのエネルギーなんです。

スポーツドリンクは運動をしたときに消耗した栄養素や水分を補うために作られた飲みもの。果たして、日常的に飲むには適しているのでしょうか？

アレルギーの原因は？

糖分の過剰摂取によって、アレルギー症状が悪化する可能性があることがいくつか報告されています。

糖分をとりすぎると、血管の中の糖（血糖）が増加します。すると、糖の処理を行うため、体内では“インスリン”という物質がたくさん出ます。インスリンは身体に入ってきた糖を必要な臓器に運ぶ働きがあるため、糖をたくさんとると大量に分泌されます。

これだけでも、“血糖値スパイク”や“グルコーススパイク”と呼ばれる血糖値の急上昇・急降下を引き起こすことがあるのでよくないのです。それだけでなく、このインスリンが大量に分泌されることが、実はアレルギーを引き起こす原因のひとつといわれているんです。

糖分と聞くと、「砂糖のこと？」と思うかもしれませんが、実はご飯や麺などの炭水化物も糖のひとつ。甘い食べ物だけが糖ではありません。

さて、ご飯や麺などの炭水化物は、消化吸収に時間がかかるため、すぐには身体に吸収される形の糖になりません。一方、スポーツドリンクは砂糖と塩などで作られているため、体内への吸収率が高くなり、急激な糖の吸収につながります。

糖の入ったスポーツドリンクを、500mlペットボトル1本分を一度に飲んでしまうと、糖の吸収が高まって、インスリンの大量分泌につながる可能性があります。これが、アレルギー症状を促進してしまう要因のひとつなのです。

アレルギーの原因のもうひとつは、腸内環境の悪化です。腸内環境は、私たちの腸の中に住んでいる腸内細菌という常在菌が整えてくれています。この腸内細菌は、よい働きをする“善玉菌”と、腸内の状況によって働きが変わる“日和見菌”、環境を悪くする作用のある“悪玉菌”に分かれています。

食生活が乱れてくると悪玉菌が増え、腸内環境が悪くなってしまいます。この悪玉菌を減少させ、腸内環境をよくするためには、食物繊維がとても大切。しっかり食事をとっていないと、食物繊維が不足してしまうことがあるんです。

スポーツドリンクは、意外とエネルギーが高いので、食事をしっかり食べられなくなってしまうことも。これが腸内環境の乱れにもつながります。

スポーツドリンクは日常的に飲むのは避け、スポーツ時に飲むようにしましょう！

統計データ

清涼飲料水代わりにスポーツドリンクを飲んでいる人は、重度の花粉症になりやすくなるリスクが2.94倍になります。

A: 清涼飲料水代わりにスポーツドリンクを飲まないようにしていますか？
B: 重度の花粉症ですか？