解説
口内炎にはビタミン類をとろう
口の中の粘膜や舌などに炎症ができ、しみて痛みを感じる口内炎。誰でも一度くらいは経験があることでしょう。市販の薬を塗っても「痛みがひどくて仕事や勉強に集中できない…」といったこともあります。
口内炎ができる原因ははっきりしないことも多いのですが、ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足や疲れなどが考えられます。口内炎は生活のリズムが乱れているサインと考えて、ふだんの生活を振り返ってみましょう。
口内炎は、“アフタ性”、“ウイルス性”、“カタル性”などいくつかの種類に分けられます。通常、私たちが口内炎と呼んでいるのはアフタ性口内炎で、あとの2つはウイルス感染などが原因ですから、ここではアフタ性口内炎に話を絞りましょう。
さっくり揚がったフライや天ぷら、唐揚げなどの揚げ物が大好きな人は多いですね。ですが、揚げ物は食生活のバランスに関連しているのです。
忙しいとき、食事を簡単に済ませたいと思うことは多いでしょう。すると、ついついスーパーのお惣菜やコンビニ弁当など、脂肪分やカロリーが多い食事に偏ってしまい、脂肪を代謝するビタミンB群が不足する可能性が高くなります。
口内炎を予防し、口の中を健康に保つには、ビタミンB2、B6、ビタミンC、ビタミンAなどの栄養素をしっかりとる必要があります。献立バランスに気をつけた食事をするように心がけましょう。ビタミンB2にはレバーや卵、うなぎ、牛乳、ビタミンB6にはまぐろ、かつお、鮭などの魚、レバーやバナナなどを積極的にとりいれましょう。ビタミンCはなんといっても野菜や果物、そしてビタミンAは緑黄色野菜やうなぎに豊富に含まれています。

小さな傷も口内炎を悪化させる原因に
口内炎は、完治までおおよそ1〜2週間かかるといわれています。できるだけ早く回復するためには、口内炎症状がある間は食生活や睡眠、ストレスに注意し、身体を労わって生活しましょう。刺激が強い香辛料たっぷりの食事や、熱いもの、タバコ、アルコールはできるだけ控えたいものです。抗酸化作用が強い、ビタミンCたっぷりの野菜類をしっかり食べるようにしましょう。野菜をしっかり入れた具だくさんのスープや味噌汁は食べやすいので、おすすめの献立です。
果物にもビタミンCが多く含まれていますが、糖分が多いためとりすぎないように注意しましょう。みかんであれば1日に、2個程度が適量です。
また、口内炎は、口の中の小さな傷によっても炎症が起こることが多くあります。歯ブラシのあてかたにも注意しましょう。揚げ物の衣で口の中を傷つけてしまうことがあり、これも口内炎のきっかけになります。そまずは、口の中を清潔に保ち、十分な睡眠や栄養をとり、ゆっくり休むことを心がけましょう。

<参考文献>
■第一三共ヘルスケア
『口内炎の原因』
■日本口腔外科学会 口腔外科相談室
『口の粘膜が痛い・ヒリヒリする』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
揚げ物を食べないようにしていない人は、口内炎ができやすくなるリスクが4.42倍になります。
A: 揚げ物を食べないようにしていますか?
B: 口内炎ができやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
14.9%
46人 |
85.1%
263人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
0.97%
3人 |
13.92%
43人 |
20.06%
62人 |
65.05%
201人 |
Z検定値 | 2.62 |
---|---|
オッズ比 | 4.42 |
信頼度 | 99.1% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
>数値の見かたはこちら