解説
減らすだけダイエットの落とし穴とは?
普段からダイエットをしていて、あるときから体重が落ちてきたら?やはり嬉しいことだと感じますよね。ですが、あまりにも急激に体重が減るダイエットの場合は、身体に負担をかけていたり、必要な栄養素が足りなくなってしまっている可能性があります。こうしたときはダイエット方法をいったん見直し、注意して食事全体のバランスを見直す必要があります。
たとえば、食事そのものを極端に減らすダイエットや、特定の食品だけを食べる単品ダイエットは、一時的に体重が減ってもリバンウドしやすく、長期的にはあまりおすすめできません。単品ダイエットの中でもフルーツダイエットは、「ビタミンが多くてごはんより低カロリー、身体に良さそう」と思うかもしれません。とはいえ、果物の甘さは果糖という糖分が含まれているから。実は果糖と砂糖はあまりカロリーに違いはありません。果糖のほうが甘みを感じやすいため、デザートやおやつにお菓子よりもフルーツを適量食べるのはおすすめですが、ダイエットだからといってたくさん食べれば意味がありません。
また、果物中心の食事では、糖質をエネルギーに変えるときに欠かせないビタミンB1が足りなくなりがちです。そのため食べたものがスムーズにエネルギーにまわらなくなり、逆に太りやすくなってしまうというリスクがあります。そして、フルーツの方が砂糖に比べて糖質が蓄積しやすいという特徴があります。フルーツばかりの単品ダイエットは、リバウンドしやすいダイエット方法といえます。
こうした無理なダイエットにならないために、バランスのよい食事の中に取り入れたいのがニンジンです。ニンジンは体内でビタミンAに変わるβカロテンが豊富に含まれ、体内の活性酸素を抑え、免疫力をアップさせ、ガンや心臓病、糖尿病などの、生活習慣病を引き起こすリスクを抑えてくれるという効果があります。では、ニンジンがダイエットとどのような関係があるのでしょうか。
筋肉の素のたんぱく質!代謝の決め手はビタミンB6
ニンジンは、葉も茎も食べられて、捨てるところが少ない野菜。ニンジンの葉や茎には、ビタミンB6が含まれているので、しっかり活用することがおすすめです。
ビタミンB6は、ダイエットで大切なたんぱく質の代謝を促すビタミンです。減らすだけダイエットや単品ダイエットでは、食べる量を減らすことにより一時的に体重が落ちますが、このときに減ってはいけない筋肉まで一緒に落ちてしまうリスクが高くなります。
消費カロリーが大きい筋肉が落ちてしまうと、かえって痩せにくい体質になってしまいます。ですから、ダイエット中はたんぱく質に加えて野菜などのビタミン、ミネラルをバランス良く食べることが大切なのです。
ビタミンB6は、アジ、鮭、かじき、さば、大豆、レバーなどに含まれますが、ニンジンは日常的に食べられる定番野菜ですから、毎日の食事の中で無理なくビタミンB6をとりやすいという利点があります。ダイエット中の方は、たんぱく質とニンジンがとれる料理を献立に積極的に取り入れるように心がけましょう。
ダイエット中だとしても、月に1~2㎏ペースでの減量が身体に大きな負担がなく、取り組みやすいとされています。急激にへらさず、コツコツ少しずつ減量する計画をたてましょう。
また、ダイエットをしていないのに急激に体重が減り、血糖値が高い、喉の渇きや身体のだるさがある、という場合は糖尿病の可能性が考えられます。こうした場合は医療機関を受診することをおすすめします。
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、ニンジンを食べていない人は、急に体重が落ちてきたと感じやすくなるリスクが8.22倍になります。
A: 月に1回以上、ニンジンを食べていますか?
B: 急に体重が落ちてきたと感じていますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
94.8%
293人 |
5.2%
16人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
2.59%
8人 |
92.23%
285人 |
0.97%
3人 |
4.21%
13人 |
Z検定値 | 3.37 |
---|---|
オッズ比 | 8.22 |
信頼度 | 99.9% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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