解説
前歯の犬歯が目立つ“八重歯”は可愛いですね。ですが、残念ながら八重歯は、歯の噛み合わせの状態としては、あまりよくありません。八重歯のように歯並びに問題があると、実は肩こりや頭痛、疲れやだるさ、お腹の不調などの原因になることもあるのです。
八重歯ってどういうことなのでしょう?八重歯とは犬歯だけの問題ではなく、歯の大きさとあごの大きさがアンバランスなせいで、歯が部分的に重なってしまう状態のことをいうのです。
厚生労働省の「歯の健康に関する調査」によれば、日本人にはこうした、歯並びがデコボコになってしまうタイプの噛み合わせ問題が多いといいます。噛み合わせが悪いと疲れやすくなるだけではありません。虫歯や歯周病にもなりやすいんです。
では、どうすれば噛み合わせが良くなるのでしょうか?子供の時期であれば、食事をよく噛んで食べ、口のまわりの筋肉をしっかり使うことであごの発達を助けることができます。言葉の発音が良くなるというメリットもあるんですよ。
大人になってからでは、個人のケアや生活習慣だけでは噛み合わせの問題は解消しきれません。ここはやっぱり、歯科医に相談しましょう。
大人になってからでも、歯や歯を支える骨のどこに問題があるのかを調べて矯正治療することもできます。矯正が難しい場合は、歯ぎしりを抑えられるマウスピースなどの器具を使えることも。また、食事のときに口の片側ばかりで噛まずに、左右対称に噛むよう意識すると疲れを少しやわらげることができるかもしれません。
それでも、歯の矯正治療や噛み合わせ問題の改善には長い時間と大きな費用がかかります。治療方針やメリット、デメリットについて、事前に十分な説明をしてくれる歯科医院を選びましょう。納得のいく治療で、疲れ知らずの素敵な笑顔をゲット!

<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『不正咬合の種類と実態』
■厚生労働省
『平成23年歯科疾患実態調査』
■公益社団法人 日本矯正歯科学会
『矯正歯科治療のQ&A』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
歯の噛み合わせが良くない人は、疲れやすくなるリスクが2.18倍になります。
A: 歯の噛み合わせは良いですか?
B: 人よりも疲れやすいほうですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
47.4%
283人 |
52.6%
314人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
25.29%
151人 |
22.11%
132人 |
37.52%
224人 |
15.08%
90人 |
Z検定値 | 4.54 |
---|---|
オッズ比 | 2.18 |
信頼度 | 99.9% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
>数値の見かたはこちら