早歩きウォーキングで花粉症を予防
リスク
2.4倍

早歩きウォーキングで花粉症を予防

できるだけ早歩きをしていない人は、重度の花粉症になりやすくなるリスクが2.4倍になります。

解説

運動が花粉症を改善する?

花粉症は鼻や目の症状、早歩き(ウォーキング)は足腰の運動。花粉症と早歩きは、あまり関係がなさそうにも思えますね。しかし、運動によって肥満や腸内フローラが改善されることで、花粉症の症状が緩和する可能性があるのです。

肥満の人や、肥満のために血糖値を調節するインスリンの働きが弱くなっている人は、花粉症やぜん息といったアレルギー症状のリスクが高くなるという研究結果があります。つまり、肥満を解消したり血糖値を改善したりすることで、花粉症の症状を和らげる効果が期待できます。早歩きのような適度な運動は、血糖値の急な上昇を抑えることができますし、運動によってインスリンの働きを改善できるという報告もあります。日常的に運動する習慣を身につけたいですね。

早歩きのような運動が、花粉症対策に効果があると考えられている理由はほかにもあります。それは、早歩きのような運動が腸内環境をよくするということ。運動によって腸内細菌の環境(腸内フローラ)が変化し、過剰なアレルギー反応が起きにくい状態になると考えられているのです。運動と合わせて、野菜や海藻、果物の多いバランスのよい食事を取ることも、腸内環境の改善には大切です。腸内環境の正常化は花粉症対策と同時に肥満や便秘の対策にもなりますよ。

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適度な早歩きはどのくらい?

花粉症に適度な運動がよいといっても、どの程度が適度な運動なのでしょうか?まず、全速力で走るような激しい運動にはリスクがあります。特にぜん息の症状を持つ人の場合、激しい運動は発作を起こすきっかけになることがあるためです。

また、夏の花粉症の原因のひとつであるカモガヤなどイネ科の植物は、小麦アレルギーと関連があります。小麦粉を含む食品を食べてから数時間以内にイネ科の花粉が多い場所で激しい運動をすると、じんましんやぜん息症状など強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が出ることがあるのです。ほかにも、果物や魚介類を食べた後にも運動がきっかけでアレルギー症状が出ることがあるため、これまで運動をしていなかった人が急に激しい運動を始める場合には注意が必要です。

花粉症対策として運動を始める場合、ウォーキングなど激しすぎない運動がおすすめです。歩く速さについても悩むところですが、「大気汚染物質を吸い込みすぎず、かつ運動になるバランスの取れたウォーキングの速さはどのくらいか?」という面白い研究があります。この研究では、速すぎるとハァハァと大きく呼吸して花粉を含むたくさんの大気汚染物質を吸い込んでしまいますし、遅すぎると外にいる時間が長くなって結局たくさんの大気汚染物質を吸ってしまうという結論が出されています。

カナダの大学の研究によると、運動による健康効果と大気汚染対策のバランスが取れるウォーキングの速さは、時速6kmまでだといいます。1kmの距離を10分で歩く早歩きならば、花粉症対策としておすすめの適度な運動になるといえそうです。

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統計データ

できるだけ早歩きをしていない人は、重度の花粉症になりやすくなるリスクが2.4倍になります。

A: できるだけ早歩きをしていますか?
B: 重度の花粉症ですか?

A
はい いいえ
45.3%
140人
54.7%
169人
B
はい いいえ はい いいえ
5.18%
16人
40.13%
124人
12.94%
40人
41.75%
129人
Z検定値 2.78
オッズ比 2.4
信頼度 99.4%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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